◆武豊の社線モハ【其の1
そろそろまたフリーランスの電車を作ろうと、2005年初夏あちらこちらのサイトを巡っておりました。
そのときPole Pole Railways Home Pageさんの中に、「kitcheN製 多摩湖モハ101・多摩湖のクハ化を作る!」という工作記事があるのを発見しました。
顔は非常に気に入ったのですが、そのときの気分は「片側2扉はちょっと短いな」というものだったので、製造元であるkitcheNさんのサイトをのぞいて見ました。
すると、顔はそっくりで車体が長い「武豊の社線モハ」というキットがあるではありませんか。
早速数週間後にはキットを手に入れました。
とりあえず「名前はまだ無い」です。







▼車体
これは2代目の画像です。
実は一台お釈迦にしています。
運転台窓に鏝を当てすぎて、修復が難しいくらい変形させてしまったことで、嫌になってしまいました。
安くは無い授業料ですが仕方がありません。腕のせいです。
付属の屋根のオデコパーツは、大きさがあわないのでヤマシタさんのページを参考に、プラ板積層構造としました。
2度ほどサーフェイサーによる確認を行いましたが、本塗装の際に隙間が出ないことを祈るのみです。
次は動力ユニットです。
◆武豊の社線モハ【其の2
「電車は走らないとイカン。」という偏狭なポリシーを持っているワタシ。
これに合う動力ユニットをいくつか物色しました。さがしていた当時は鉄道コレクションの動力が丁度発売されたばかりのころでした。
結局12m級を伸ばすか、15m級を縮めるかしなければならず大規模な工事が必要と判断し使用を断念。
メーカーサイトにある、kitcheN製動力ユニットを採用することにしました。
ここでもPole Pole Railways Home Pageさんの中に、「kitcheN製 川造最初期タイプ(旧西武550形)を作る! 」でサイズは異なるもののkitcheN製動力を使用していらっしゃるので、これも採用の決め手となりました。







▼動力ユニット【808E 小型動力14-85ブリル】
これは加工前の画像。
今はもうすでにプリント基板を妻面の折れに合わせて削ってしまっています。
途中間違ったので1時間弱ほどで組みあがりました。
よく動きます。
◆武豊の社線モハ【其の3
このキットにはGMのパンタグラフ用の穴がすでに開いています。
ごついパンタは合わないような気がして、ここもヤマシタさんの真似をしてkicheN製のパーツを使っています。







▼パンタグラフ【GM:PT43&kitcheN:915B】
苦労しました。
説明書に「加工に自身のある方のみどうぞ。」とあるのに、何とかなるだろうという軽い気持ちで始めました。
ところがこれがぜんぜん組みあがらないのです。
一方をはめればもう一方が外れる。
パンタ・パーツともに2005年12月に購入し、すぐに工作。その後半年余り放置しておりましたが、組み方を変えたところ組み上げることが出来ました。
組み方を変える、工夫するという根本的な技術が足りず投げ出しました。反省。
◆武豊の社線モハ【其の4
動力ユニットも組み立てて、今度は付属していない床下を検討。
当初はGMの旧形国電用の床下パーツを検討していたのですが、この電車には大きすぎるため取りやめ。
鉄道コレクションの床下流用が手っ取り早いと判断し直ぐにIMONで購入。
目的の15m級を引き当てましたが、よりにもよってフリータイプとは…。車体は今IPAに漬けられています。














▼複製の検討
当初は複製を考えていました。
検討したところ100円ショップ「ダイソー」で販売している「おゆまる」という商品の利用が当方の技術力にも合致していると判断し、購入使用してみました。
80℃のお湯に漬け、溶けたところで複製したい素材に押し付けて型をとるものです。
固まる時間にあまり余裕はない印象。
エポキシパテで複製したのが2枚目の画像。
もっと流動性の高い素材で実行した方が良かったのかもしれませんが、手持ちの素材がタミヤのそれしかなかったのでとりあえず実行。
結果はご覧のとおりで、端までパテがまわらず角が欠けたような形でしか複製できませんでした。
これでは使えません。














▼鉄コレ床下の改造
最終的には"鉄コレ"を新規に購入し、この車輌に電装を供出しました。
若干長いため「電気側」からはエアータンクらしきものを、「空気側」からは用途不明の部品を切除しました。
大きい部品(抵抗器等)の裏をプラ板でふさぎました。
機器は1mm厚のブラ板をスペーサーにして床下に取り付けます。
次は塗装です。
◆武豊の社線モハ【其の5
▼車端部屋根の修正
オデコはやはり一発OKとは行きませんでした。
薄いグレーでチェックしたところ、とても満足できる仕上がりではありませんでした。
その後サーフェイサーと瞬間接着剤で段差を埋め、ペーパーや棒ヤスリで削り再塗装。
それを3・4回繰り返してどうにか(それでもお世辞にもよい出来とはいえないのですが…)終了しました。
下の3枚の画像は2回目(?)の修正後の画像。まだまだです。
なお骸骨形テールライトはkitcheN製(913A)を使用しています。





















◆武豊の社線モハ【其の6
▼塗装
旧気動車色は好きな塗りですが、今回はちょっと変わった色に塗りたくなりました。
そこで今回はスカ色にしました。
GMのクリーム4号とマッハの青15号、日光のねずみ色1号の順でエアブラシで吹き付けました。
ここでもまた失敗しています。
最初のクリーム4号の濃度を非常に濃いままで吹いて、塗面を荒らして凹凸をつくってしまいました。
ラッカーシンナーで薄く溶いたクリーム4号を吹いて段差を均そうとしましたが、結局塗装が厚くなっただけのことでした。
最終的には目立つ部分を1500番のペーパーで軽くやすって、その後もう一度前述した薄めのクリーム4号を吹いてごまかしています。
でも、あまりごまかしきれていません。







◆武豊の社線モハ【其の7
▼カプラー
カプラーは実車に倣えば自連を用いるべきなのですが、当鉄道では密連が標準ですのでそれに合わせました。
タヴァサのPK-006TNカプラー用ポケットを用い、TOMIX0381密連形TNカプラーを使用しています。
また動力ユニット自体が腰高感があるので、1mm厚のプラ板を2枚重ねたものを介して調節してあります。
胴受は銀河モデルの絶版品のN-902旧形国電用を用い、ジャンパー線も同社のブレーキホース(N-070:旧製品【エッチング】)をエバーグリーンのアングル材を介して取付ました。
最初ジャンパー線としては銀河のN-070エアーホースの使用を図りましたが、ホワイトメタル製のため何回か曲げ作業を行っているうちに折れて使い物にならなくなり断念した経緯があります。
ロスト製(N-301)ならば恐らく大丈夫なのでしょうが、勿体無いことをしました。







▼屋上機器
パンタグラフはプラの部分を金属ブラシで表面を荒らしたあと、マッハのシールプライマーその後にタミヤアクリルXF-1フラットブラックを吹き付けました。
集電舟部分は中央部にタミヤアクリルXF-6コッパーを筆塗りしています。
ヘッドライトは銀河モデルの100W用、ベンチレーターはkitcheN製のT型ガラベン(小型)(919B)。
ヘッドライトとベンチレーターは日光の灰色9号。







▼ウェザリング
今回はあまり汚さないことを心がけました。
床下はハンブロールエナメルのMatt Leather(62)、屋根はGSIクレオスのH-343スートを軽く吹いた後にベンチレーター他を接着。その後に床下と同じMatt Leatherを更に軽く吹いています。
ここはRMM2006年6月号22頁の熊岡さんの記事を参考にしています。
この記事の「〜泥色【筆者注:ハンブロールエナメルのMatt Leather(62)】はエナメル系ですが、私の場合は早く乾燥させたいため、ラッカーシンナーで希釈しています。」とある24頁の記載を当方も実行(IMONのラッカーシンナー使用)してみました。
しかし、これもエナメル系とラッカー系を混ぜると起こると聞いていた塗料がゼリー状に固まる事態に。
更にシンナーを足してみたのですが、状況は変わらず諦めて廃棄しました。
結局塗料を買い直して、エナメルのシンナーで溶いて吹き付けています。
何かが足りなかったのか、それともそもそも無理なのか。記事と同じようにエナメル塗料のラッカーシンナー希釈を実行された方に状況をお聞きしたいです。














▼仕上げ
車番はクモハ24000とし、手持ちのキシャ会社のEC・DCシリーズの白から数字を拾いましたが、画像のとおりちょっと曲がっています。
ヘッドライトはタミヤエナメルのクロムシルバーを筆で内部を塗った後に、レンズパーツを接着。テールライトはタミヤアクリルのX-7レッドを筆でのせました。
運転台の窓にはふと思い立ってワイパーを取付ました。取り付けたのは手持ちの銀河のもの(N-043:旧製品)です。
GMの塩ビを窓にゴム系接着剤で貼り付けてようやく完成。







▼総括
金属の薄いキットを組むには当方には繊細さが欠けていました。
完成できたので、お釈迦にしてしまった初代も浮かばれるでしょう。そのうちどこかで「ダルマ」になってもらうつもりです。
一昨年の夏に初代を購入し、約一年半の工期。この期間、何度もヤマシタさんのサイトを見て参考にさせていただきました。
有難うございました。
▼参考
Pole Pole Railways Home Page
kitcheN
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