◆スハ45 44
▼実車について
1954年9月30日川崎車輌製。函館に新製配置され、最後も同所で迎えました。
かつてはニセコ、大雪等の優等列車にも用いられたのでしょうが、末期は函館〜札幌間の普通列車に用いられていました。
一応これも特定番号です。







▼改造点
今回の主となる工作点は、スハ43新製時の姿であるカトー製のものを更新後のスハ45にどのように改造するかと言う所に尽きます。
それ以外は今回の編成の標準仕様とも言うべき工作です。
1.客用扉・トイレ・洗面所窓の交換
2.蓄電池箱の大型化
3.車軸発電機の取り替え
4.室内の塗装
5.ベンチレーターの交換
6.TNカプラー化
7.室内灯取り付け







▼1.客用扉・トイレ・洗面所窓の交換
カトーのスハ43は客用扉はプレス製のものですが、スハ45 44はHゴム支持縦長窓付きのそれ。 また、トイレ窓も楕円形の小型Hゴム窓、洗面所窓は2段式のHゴム窓。
これを、再現できるようなパーツが銀河モデルから発売されました。
N-132乗客扉スハ43系(Hゴム大窓)というのがそれで、このシリーズは買い揃えてしまいました。
客用扉は、窓を縦・横ともに広げて、あとで窓ガラス用の塩ビ板を入れ易くしておき、それからパーツを瞬間接着剤で貼り付けます。
客用扉の窓の拡大は、横方向は扉のサイズまで、上下方向も上は扉の上1ミリ程度を残し、下はプレス模様の上部程度までちゃんと拡大した方があとで後悔しなくて済みます。
トイレ窓、洗面所窓パーツはボディのその部分にはまるようになっていますが、若干の隙間が出来てしまいます。そこを瞬間接着剤で埋めるのですが、余計な所に付かないようにするのと補正の際にモールドを削らないようにすることに大きな注意が必要です。
また、トイレ窓のパーツは窓四隅のRが若干小さく長方形に近くなっています。ここがこのパーツの残念な所です。
▼2.蓄電池箱の大型化
北海道向けの旧形客車の多くには大型の蓄電池がついており、非常に目立つ物です。
しかし、カトー製品のそれは床下と水タンクとの一体モールドになっており、取り外しには困難が伴いました
この困難さに、一時は床下をGM製ベースで製作しようかと考えた事もありましたが、室内灯の取り付けとシャープなモールドを優先した結果、カトー製品を改造する事にしました。
蓄電池の切り離しには、ピンバイスで接続部に無数の穴をあけ、ニッパーで穴の間を切断していくことで何とか切り離しました。
水タンクには横に大きな穴があくので0.5ミリのプラ板で隠し、キングスホビー製KPP-010大形電池箱を取り付けました。
▼3.車軸発電機の取り替え
これも北海道向けの旧客の特徴ですが、最近までパーツが発売されていませんでした。
また製作前はこのシャフトドライブの車軸発電機は台車マウント式のものしか知らなかったのですが、車体マウントのそれも存在し、また44も車体マウントだった事を知るに至り
現在市場流通しているのはキングスホビーのものですが、これはその発売前に流通していたkitchen製000M北海道歯車式車軸発電機RG-2【絶版品】を改造しました。
このパーツも台車マウントタイプを模型化しているので、発電機とシャフトの一部を用い0.6ミリの真鍮線を介して台車のブレーキシュー部分に取り付けました。
結果的に台車マウントになりましたが、こちらの方がより車体マウントに似ているように思いましたもので。
床下に付いていた車軸発電機は不要なので切り取り、開いてしまった穴をプラ板で埋めました。
▼4.室内の塗装
折角室内灯を取り付けるので、室内にも凝ってみる事にしました。
まず、仕切り用にMrカラー45セールカラーを塗り、それをマスキングして通路用にニュートラルグレーを吹き付け。
最後に通路等をマスキングして、タミヤアクリルカラーXF-8フラットブルーを吹き付けましたが、手間を掛けた割に目立たなくて残念です。







▼5.ベンチレーターの交換
マニ50でも行ったベンチレターの交換はこれでも行いました。
これも一体モールドのベンチレータ切除後、穴のあいた屋根を埋め、再度ベンチレータ取り付け用の穴を開けるという作業です。
後から取り付けたベンチレーターはトミー製のPB-302。
▼6.TNカプラー化
0371密自連タイプボディマウント型TNカプラーをゴム系接着剤で床下に接着。
自連に似せるためにカプラーの一部を切除しました。
▼7.室内灯取り付け
こんなに面倒なものとは、というのが率直な感想。
新型室内灯ユニット対応になったものを使用しましたが、リニューアル後はもう少し取り付け易くしてほしいものです。
更新車であるので、白色室内灯11-209をカラーフィルターを用いず取り付けてあります。







▼その他の工作
車体色はマッハの13番艶消青15号。
ウェザリングは「きつめ」に行い、GSIクレオス水性カラーH-343のスートを屋根に、床下と台車にはハンブロール62マットレザーを吹き付け。
実車は更新工事を実施してアルミサッシ化がなされているので、タミヤエナメルのクロームシルバーを吹き付け。
また、Hゴム部分にはこれもタミヤエナメルのフラットホワイトを筆塗り。
形式はジェイズのインレタ、所属標記、車端の検査標記、車端の形式はキシャ会社のもの、重量の標記はくろま屋のそれを使用。
転写後、クレオスの182番スーパークリヤーつや消しを吹き付け。
客用扉の下には、銀河モデルのN-030ステップの取り付けしろを折り曲げ、ボディに瞬間接着剤で貼り付けました。
▼総括
カトー製スハ43系列がリニューアルされることになりました。
数回買い増して、スハフを含めて10輌弱所有しています。どの程度リニューアルされるのかは不明ですが、分解し易くしてほしいと切に願います。
いずれにせよ、数輌購入の予定です。
2005/08/11:追記

雑誌やweb上の画像で確認した所、Hゴム2段式の洗面所窓は上下両段とも白いらしいということがわかりました。
また、上述したようにトイレ窓も気になるのでここも含めて満足できるように修正したいと思います。
▼参考資料
鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル 2002年6月号』『同7月号』
ネコパブリッシング『レールマガジン 1986年2月号』
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