◆黒森駅セクション【駅舎差掛屋根編】
◇製作動機と参考資料
ホームを完成させた後、先に完成した駅舎を配置してみました。
しばらく見ていると、ホームが比較的立派に出来ているのに比して、駅舎が貧弱に見えてきました。
ここまで来て、駅舎の再作成などは思いもよらないので、別な方法で駅舎の大きさを増すことにしました。
そこで差掛屋根の製作を始めました。
参考にしたのは、ネコパブリッシング刊『地鉄電車慕情』内のストラクチャーの要点と図面という記事です。
この本は16番の架空鉄道の車輌とセクションレイアウトの紹介ですが、レイアウト関係が非常にリアルでスケールは異なりますがとても参考になります。 実はこれは第二作目で、前作は真鍮とプラ材の異種素材のものでしたが、柱が弱く修正に失敗したのでプラ材メインで再製作したのが本作です。







◇平板葺き
差掛屋根を葺く素材としては、桧皮葺や藁葺きはありえず瓦葺きも実物で行おうとすると、重量もあり金額的にも決して安く済むようなものではありません。
そこで、軽量かつコスト面でも有利な平板葺きとしました。
平板として選んだ素材は、エバーグリーンの58EG104 0.25×2.0ミリのプラ材です。
これに、5.5ミリピッチで溝を掘っていきます。溝を掘る道具は、KOTOBUKIYAの0.15ミリのエッチングのこです。
前作はデザインカッターを用いて溝を掘ったのですが、力の加減で切断してしまうこともあり、その解消のためにエッチングのこを導入しました。







◇垂木・桁
溝を掘った58EG104は、44×14ミリのt0.2ミリの透明プラ板に溝が互い違いになるように接着します。
接着後余分な部分を切り落とし、屋根が長方形になるよう整えます。
その後、屋根の長手方向に対して垂直にPrustruct製90740 1.0×1.0ミリ角棒を垂木として接着し、その後長手方向と平行に同材を桁として接着します。
本当は、「もや」という部材を垂木の前、すなわち屋根板の真下の位置に長手方向に平行に設置するようなのですが、省略しました。
ここは本を参考にしたとはいえ「完全」ではありません。














◇柱
前作のウィークポイントだった柱。
今回はプラ材メインとはいえ、最も強度的に不安な場所であるので補強を行いました。
柱に使用したものは、垂木等と同じPrustruct製90740 1.0×1.0ミリ角棒ですが、その中心に0.7ミリの穴を開けます。
また、桁の柱接続部の中心にも0.7ミリの穴を開けます。柱に4ミリ程度の長さの0.6ミリ真鍮線を埋め込み接続金具とし、桁と接着します。
金具部分の接着には、瞬間接着剤を用いプラ同士の接着部分にはタミヤセメントのサラサラタイプを使っています。 







◇鼻かくし
レール側から差掛け屋根を見た場合、このままだと垂木の先端が見えてしまいます。
装飾的な意味と雨を多少なりとも防ぐために、屋根の先端から垂れたように付いている部材「鼻かくし」を取り付けます。
材料は0.3ミリプラ板を2.5×44ミリに切った物です。








◇塗装
駅舎と差掛屋根では、瓦と平板という素材の差があるので大幅に色も変えることも検討しましたが、無難に同系統で済ますことにしました。
駅舎とトイレの屋根はGMの国鉄緑2号でしたが、今回はTAMIYAアクリルXF-13濃緑色です。
鼻かくしと柱、屋根の裏側の桁や垂木等はTAMIYAアクリルXF-2フラットホワイトを吹いています。







◇総括
差掛屋根をうたっていますが、大きな庇程度にしかならなかったという思いを完成後強く感じています。
また前述のとおり「もや」を省略していますが、それ以外に柱を支える「方づえ」と言う部材も省略しています。
「方づえ」はつけると五月蝿い感じがし、また加工も部材に角度をつける作業があるので、余り積極的にはなれない工事です。
必要と感じたときに工作することにして、取り合えず完成と言うことにしました。
建物好きにも関わらず、関連法規や部材の名称は殆ど知らないに等しく、その筋の人から見れば私が行ったような省略は全くとんでもないことものかもしれません。
やはり、何処か実物の駅舎を完全にスケールダウンすればこの悩みを感じることは無かったのにと、今は多少の後悔を抱きながら屋根を眺めています。
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